ACTIONS

尿検査を全自動で。非感染性疾患(NCDs)の早期発見に向けた臨床検査の品質向上

シスメックス株式会社
Ghana
ガーナ
2023.11.17
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ISSUE背景と課題

ガーナでは、都市部の経済発展に伴い増加している非感染性疾患(NCDs)の早期発見・早期治療が求められており、スクリーニング検査の重要性が高まっています。

尿検査は、全身の状態を簡単かつ迅速に把握することができ、生活習慣病が背景となって発症することの多い腎疾患の早期発見などに活用されますが、開発途上国ではその有用性が十分に認知されていません。また検査が少数の技師により手作業で行われており、質・量双方の観点から検査環境の整備が課題となっています。

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INNOVATION課題解決

シスメックスはJICAの官民連携プロジェクトを通じて、ガーナ第二の都市クマシ市にある、クマシ教育病院(以下、KATH)へ全自動尿検査総合搬送システムを設置し、医師や臨床検査技師など医療従事者へのトレーニングを実施。尿検査の臨床的価値や、この製品・技術の有用性の理解促進を図りました。

このシステムでは、尿検査のワークフローを全自動化しました。最初に行われる尿化学検査(尿定性検査)と、そこで異常と認められた検体を詳しく分析する尿中有形成分検査(尿沈渣検査)、及び尿検体の撮像までを全自動で行うことができます。またオンライン保守管理システム機能が搭載されており、リモートでのメンテナンスや、外部からの精度管理、Webによる情報提供等が可能です。

従来の尿検査には、 48~72時間を要し、また検体採取から確認まで複数の手順があることや、試薬の数や人件費など、コストの面などで課題がありました。全自動尿検査総合搬送システムでは、検査項目、処理能力、精度を大幅に引き上げられるため、検査業務の標準化と効率化を図ることができます。シスメックスは、学術シンポジウムやトレーニング等を通じて尿検査自動化の臨床的価値を啓発し、人材育成を通じた能力開発を推進しています。

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学術シンポジウムやトレーニング等を通じて尿検査自動化の臨床的価値を啓発
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FUTURE未来

このプロジェクトは、アシャンティ州のKATHへUNシリーズ1セットを設置することからスタート。その後、ガーナ全国の主要な教育病院・州病院・郡病院・軍病院、その他の私立病院等へ普及しました。今後もシスメックスは、継続的な試薬の供給や、サービス&サポート、人材育成プログラムなどを通じて、持続可能で強固な検査室の運営に寄与していきます。

全自動尿検査総合搬送システムの譲与式
全自動尿検査総合搬送システムの譲与式

MESSAGE担当者の声

尿検査は、尿路結石・尿路感染症・悪性腫瘍などの泌尿器科疾患の診断に役立ちます。また、腎臓に影響を及ぼす全身性疾患の存在を医師に知らせることもできます。2018年には、KATHへ尿検査能力強化のため、UN-シリーズを導入し、検査技師や医師を対象とした研修を行い、普及促進事業が始動しました。また、このプロジェクトでは学術シンポジウムを開催し、アシャンティ州をはじめとする様々な医療機関の臨床検査技師や臨床医が参加。医療専門職の資格維持・向上、保健医療水準の向上に貢献しました。

Elijah Cooper Aggreyさん
Sysmex West & Central Africa Ltd

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