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マイセトーマは、皮膚から感染し腫瘤を形成する顧みられない熱帯病(NTDs)で、感染経路や罹患者数などの基本的情報が不足し、現地で簡便にできる診断法は未だになく、治療法も限られていることなどから、最も顧みられない熱帯病のひとつといわれています。マイセトーマは、第18番目のNTDsとして2016年に世界保健機関(WHO)によってNTDsリストに追加されました。身体のどこでも感染し得ますが、足からの感染が最も多いとされます。未治療のまま放置すると外観の変形や運動障害、そしてそれに伴う社会的差別などを招きます。
エーザイは、マイセトーマ患者対象試験によるマイセトーマ治療薬の創出をめざし、蔓延国のひとつであるスーダンで、マイセトーマ研究センター(Mycetoma Research Centre)、開発パートナーのDrugs for Neglected Diseases initiative(DNDi)および、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)と協力し、自社創製の抗真菌剤ホスラブコナゾール(E1224)の臨床試験を実施し、スーダンでの承認申請に向け準備しています。並行して、本薬を効率的に多くの患者様にお届けするため、様々なステークホルダーと対話を行っています。
エーザイでは、日本の国際NGO(非政府組織)であるAAR Japanとパートナーシップを締結し、2019年よりスーダンでのマイセトーマ対策事業を支援しています。活動開始以来、190人以上の患者様への治療や手術の実施、2,800人以上の住民への疾患啓発活動を行うとともに、長崎大学熱帯医学研究所の協力を得て、現地協力団体や関係者へのオンライン研修を実施しました。
(エーザイのマイセトーマへの取り組みについて詳細はこちらをご覧ください。)
マイセトーマの認知度向上と患者様の診断・治療・ケアの確立に向けて、セクターを超えた連携を推進し、スーダンにおけるホスラブコナゾール(E1224)の承認取得と持続可能な提供方法の確立、スーダン以外の蔓延国におけるE1224提供による貢献を目指します。
ホスラブコナゾール(E1224)は、開発の過程で多くの紆余曲折を経験しながらも、様々なパートナーとの出会いを経て、申請準備の段階に辿り着きました。スーダンでの臨床試験は、開発途上国の治験に慣れているDNDi にとっても前例がなく、難易度の高い大きなチャレンジで、エーザイ単独では到底実施できませんでした。
私達の仕事は薬を作って終わりではなく、医薬品アクセスを向上することも、単に資金力さえあれば可能になるわけではありません。承認を取得し、薬が提供できるようになっても、適切に診断できる医師が少なく、患者様を見つけることさえ難しいため、患者様を取り巻くあらゆるステージに、今後必要とされることが山積しています。企業として、研究者として諦めない精神が、その先にいらっしゃる新薬を待ち望む患者様への貢献につながると信じています。そのためにも、引き続きパートナーとの連携を深め、できることから一歩一歩、道を切り拓いてまいります。
(マイセトーマの新薬開発担当者の想いについての詳細はこちらをご覧ください)
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マイセトーマに対するパートナーとの協働を紹介するアニメーション動画はこちらからご覧ください。