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リンパ系フィラリア症の負担のない世界へ。
エーザイのリンパ系フィラリア症への取り組み

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2023.11.17
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ISSUE背景と課題

リンパ系フィラリア症(LF)蚊が媒介して感染する顧みられない熱帯病(NTD)で、熱帯・亜熱帯の開発途上国を中心に世界44カ国で約8.8億人が感染リスクにさらされています。感染するとリンパ系に大きなダメージを与え、足など体の一部が象のように大きく腫れる象皮症などの症状が現れます。身体的障害が貧困の一因となると共に、外見が損なわれることによる社会的偏見も引き起こします。日本では平安時代からLFが存在していたことが確認されており、1960年代まで、九州や沖縄を中心に流行していました。1960年代に始まった政府主導による産官民協同制圧活動により、1970年代後半に世界に先駆けて制圧に成功しました。

LF患者様
LF患者様

LFを含むNTDs制圧は国連の持続可能な開発目標(SDGs)3.3に掲げられており、世界保健機関(WHO)はLF制圧に向け、蔓延国で治療薬の集団投与(MDA)を実施しています。MDAに用いられる3種類の治療薬のうち、「ジエチルカルバマジン(DEC)錠」は世界的に供給不足状態にあったため、制圧に向けた大きな障害となっていました。また、住民への疾患啓発や衛生環境整備などの制圧に向けた活動を推進する現地での支援活動も一緒に実施する必要があります。

INNOVATION課題解決

LFに苦しむ人々の憂慮を解消するために、エーザイは2010年にWHOとDEC錠の無償提供に関する共同声明文に調印しました。2012年にNTDs制圧に向けて共闘する過去最大の国際官民パートナーシップである「ロンドン宣言」に唯一の日本企業として参画しました。2022年には「ロンドン宣言」の後継となる「キガリ宣言」にも署名し、セクターを超えたパートナーとの連携をさらに強化し、今後もNTDs制圧支援を継続していくことを表明しています。

調印の様子
調印の様子(左:WHO事務総長マーガレット・チャン氏(当時)、右:エーザイCEO内藤晴夫)

WHOとの合意に基づき、エーザイは高品質なDEC錠を自社インド・バイザッグ工場で開発・製造し、これまでWHOを通じてLF蔓延国30カ国に21.6億錠を供給しました (2023年10月時点)。LF 制圧が達成された19カ国のうち、5カ国にDEC錠を提供しました(2023年10月時点)。さらに、DEC錠の提供がもたらす社会的インパクトの定量化にも取り組んでいます。2014年から2018年の5年間で、エーザイは16億錠のDEC錠を25カ国で無償提供し、約7兆円(年間約1,600億円)の社会的インパクト創出につながったと試算されています。

(DEC錠無償提供の製品インパクト会計についてこちらをご覧ください。)

インドのバイザッグ工場
インドのバイザッグ工場
DEC錠の供給状況
DEC錠の供給状況

LF治療薬の無償提供に加え、WHO、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、他の製薬会社2社とともに、MDAによるLF制圧の達成度を評価するための診断キットを無償提供するパートナーシップに参画し、診断キット提供に関する資金拠出も行っています。LFを制圧するためには、できるだけ多くの地域住民がMDAに参加し、確実に薬を服用する必要があります。エーザイは、蔓延国政府などのパートナーと連携し、MDAの支援や住民への疾患啓発、衛生環境整備など、制圧を確実にするために様々な支援活動も行っています。

子供たちにLFについて教えるエーザイ社員(インド)
子供たちにLFについて教えるエーザイ社員(インド)
服薬状況を確認する様子(ミャンマー)
現地政府や医療関係者と一緒に村の家を回り、服薬状況を確認する様子(ミャンマー)
きれいな水を供給する水タンクの設置(ケニア)
きれいな水を供給する水タンクの設置(ケニア)
蚊の発生防止に向けた 村の排水溝清掃活動(インド)
蚊の発生防止に向けた村の排水溝清掃活動(インド)

(エーザイのリンパ系フィラリア症への取り組みについて詳細はこちらをご覧ください。)

FUTURE未来

SDGs目標3ならびにWHOのNTDs ロードマップ(2021-2030)による2030年のLF制圧の達成に向けて、エーザイは、累計39億錠となるDEC錠の無償提供を行うほか、包括的な支援に取り組みます。これにより、2030年までにNTDsロードマップで掲げる30カ国でMDAを完了し、年間約2800億円の社会的インパクトの創出をめざします。

MESSAGE担当者の声

エーザイは、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善の実現と長期的な企業価値の創造をめざしており、LF制圧をはじめとするグローバルヘルスへの取り組みは、企業理念が導く重要なビジネスドメインの一つと位置づけています。LF患者様とお話しさせていただくと、「自分たちの子供や未来のために制圧してほしい」「有効な治療薬の開発をしてほしい」という切実なお声をいただきます。いまだ制圧活動は道半ばであり、さらなる活動の加速が必要です。引き続きパートナーと共に、LFの負担のない世界の実現をめざしていきます。

LF制圧に向けた10年間の取り組みを描くアニメーション動画
LF制圧に向けた10年間の取り組みを描くアニメーション動画

LF制圧に向けた10年間の取り組みを描くアニメーション動画はこちらからご覧ください

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グローバルヘルス・アカデミー第2回での紹介(44:31〜)

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